「新・陽転思考」は事実の中から「よかった」と思うものを見つけようという考え方です。
目の前の事実を受け入れ、その事実に対して自分は「ついてない」と思うのではなく「よかった」をひとつ見つけましょうという発想です。
僕は本を読むときに、最初に見るのが裏表紙あるいはあとがきの最後にある筆者のプロフィールです。
それは、まず本を読む前に、どんな人が書いたかを知りたいから。
著者は和田裕美さん。そのプロフィールをざっくりまとめると以下のとおり。
「外資系フルコミッションの営業で日本トップ142カ国中2位の成績を収め、女性初史上最年少の代理店支社長となる」
「その後独立し、営業コンサルタントとして活躍し数多くのセミナーを開催しリピート率98%、さらにベストセラーが多数」
・・・あまりにもご立派な経歴に、この本を読むのを止めようかと思ってしまいそうになりました。他人の自慢話聞かされるても、つまらないですからね。
でも、「はじめに 」を読んで、良い本に巡り会えた!といきなり確信しました。
というわけで、「はじめに」は実際に読んでもらいたいので、内容のほうから紹介します。
人生を好転させる「新・陽転思考」 | ||||
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「新・陽転思考」とポジティブシンキングの違い
ポジティブシンキングは、ある事実に関して肯定的な方向にとらえようという考え方です。
一方和田さんの提唱する「新・陽転思考」は、事実は事実としていったん受け止めその中から「でも良かった」ということを探そうという考え方。
ポジティブシンキングでは、マイナスイメージをもってはならないのですが、人はうまくいかないときはどうしても悲観的になってしまうもの。プラスに考えよう考えようとしていても、事実のマイナスの側面が無くなることはありません。
「新・陽転思考」では、事実は事実としていったん受け入れマイナスの部分は悲しい・辛い・イヤだという感情を認識し、その上でそれでも「これは良かった」ということを見つけて、その「良かった」と思ったことにだけフォーカスを当てていきましょうという考え方です。
「良かった」の見つけ方
とはいえ、絶望的な現実はなかなか受け入れられないもの。
受け入れがたい事実の中から「良かった」を探すのは苦労します。
ですので、その事実をいったん全て受け入れた後に、「でも良かった!」と思い込みます。
「良かった!」と思い込んだ後「なんで良かった?」と自問するのです。
そうすると無意識の中で「なんで良かったんだろう?」と思考が巡り始めるのだそうです。
「新・陽転思考」の効果
自分はダメだ。
世間がダメだ。
社会がダメだ。
否定ばかりしていて、何が生まれますか?
否定からは否定しか生まれません。陽転すると「否定」が「反省」になって、「反省」が「気づき」になって、「気づき」が「学びと経験」になって一歩前に進んでいくことができます。
陽転思考を取り入れることで、マイナスな考え方に費やす時間を限りなく減らすことができます。
また、悲しい・受けいれがたい事実から「良かった」ことを見つけるようにすることなので、アンテナが敏感になります。
さらに、失敗を恐れなくなるので新しいチャレンジをどんどんするようにもなります。
まとめ
「新・陽転思考」は考え方として大いに参考になりました。
この考え方のすごいところは、事実が事実として受け入れ難い物であればあるほど、その「よかった」という思考は大きな財産として自分の中に残っていくことにあると思います。
僕も昔、単なるいつもの1案件のつもりが、実はそのプロジェクトが巨大な案件のトップバターのプロジェクトで、プロトタイプのように扱われたことがありました。
当然のようにいろいろな成果物を求められ、「見積もっていない」と反発しようにも顧客からは「どうしてもいる」、社内からは「いいからやれ」と言われ、短期間で初めてのことをやらされるうちに、本来のプロジェクトにかける時間が無くなり、ケアレスミスを連発という、負の連鎖がありました。
その時は、お詫び文書を何パターンも書き、テストも無駄としか思えない量をやり、紙のエビデンスを大量に作りました。
連日終電ギリギリまでとても生産的とは言えない作業を行うのは苦痛でしかありませんでしたが、今となってはその経験が、後続のプロジェクトを運営する考え方として財産になっていることに気づくことができました。
本書の中でも記載されていましたが、くよくよしがちな人、過去の自分に自信がない人、すぐに落ち込んでしまうような人にはオススメの1冊です。
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「新・陽転思考」の効果