Twitterのタイムラインを眺めていて、ふと目に止まった「あたらしいみかんのむきかた」
初版は2011年ということで、その当時も話題になったようなのですが、どうやらみかんのむきかたを紹介している絵本のよう。
むいた皮のクオリティの高さもそうですが、ストーリーや登場人物のコメント、日記風のむきおのコメントにも笑わされます。
笑いながら読み進めているうちにふと気づきました。
本書には、アドラー心理学の「勇気づけ」の言葉がずいしょに散りばめられていたのです。
あたらしいみかんのむきかた-親目線でも勉強になる絵本!
アドラー心理学とは?
アドラー心理学は、去年にベストセラーとなった「嫌われる勇気」で一躍有名になった心理学です。
僕も、去年の後半はどっぷりとアドラーの基本的な考え方を学びました。
ざっくりというと、個人はすべて目的を持って行動しており、個人が抱える問題はすべて対人関係に依存しているというものです。
おかあさんのリアクションがステキすぎる!
普通みかんのかわをむくのに、つまようじやカッターを使っていたら確実にこう言うでしょう。
「食べ物を粗末にしないで!」
「そんなことしないで、宿題しなさい!」
でも、この絵本に登場するおかあさんやおとうさんは違います。
「むくのね、むくきなのね、むきお」
「すてきね」
「この子 みかんのかわをむくことで じぶんとむきあっているんだわ」
これはまさしく、アドラー心理学の「勇気づけ」です。
親子という相手を自分より下ととらえて介入しようとする縦の関係では無く、寄り添う形の横の関係に基づいた発言をしています。
そして大晦日わずか1日で十二支すべてをみかんのかわで表現することに、むきおは成功します。
主人公のむきおは、知らず知らずのうちに「みかんのかわをむくことは家族にとって有益だ」と判断し、貢献していると思えるようになっています。
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え | ||||
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むきおと友達のぶむきは箱に入っている
年があけ、友達ののぶむきと遊んでいてもむきおはみかんの皮と向き合っています。
むきおを凧揚げに誘った友人ののぶむき君が目にしたのは、みかんの皮をむいてできたイカ。
そのイカに感動したのぶむき君は龍を作って欲しいとお願いします。
でも、龍は大晦日の十二支で作っているので、むきおはその言葉を無視して新作をどんどん作っています。
やがてふたりはとっくみあいの喧嘩を始めてしまいます。
ふたりとも、自分のやりたいことにしか目を向けず、相手をコントロールできないことに腹を立てているのです。
これを箱に入った状態と言います。
箱から出て相手に逆らわないことで、コミュニケーションが円滑に進むことまで、この絵本では書ききっています。
自分の小さな「箱」から脱出する方法 | ||||
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まとめ
みかんのむきかただけで、本1冊作るってすごいな。。と思って読み始めたのですが、そのストーリーに目を奪われてしまいました。
みかんのむきかたを真似しようかと思ったのですが、とてもじゃないですがムリですね。。
子供が読む本という寄りは、大人が面白がって読む絵本だと思います。
まじめな感じで、最後までとてもふざけているいい絵本です。
今回紹介した本はこちらからチェックできます
あたらしいみかんのむきかた | ||||
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嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え
岸見 一郎,古賀 史健 ダイヤモンド社 2013-12-13 売り上げランキング : 15
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自分の小さな「箱」から脱出する方法 | ||||
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