一流の上司と二流の上司を分けるものは「実行力」そして「徹底度」である – 『一流の上司 二流の上司』by 吉越浩一郎

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photo credit: SalFalko via photopin cc

僕がチームリーダーとなってから、もう10年以上が経っている。
その間、メンバーに恵まれたこともあり、チームをまとめると言うことに関しては特に苦労も無くやってこれたと思う。

本書は、考え方にとても勇気づけられ、いつかお目にかかりたい人物の一人、吉越浩一郎さんの著書である。

10年近く前にGTDという仕事術を知り、実践しようとしていろいろ試行錯誤していた頃があった。
ちょうど時を同じくして、トリンプの残業ゼロ・即断即決の早朝会議が話題となっていた。

2分以内で仕事は決断しなさい」には、とても感銘を受け、GTDの考え方と共に仕事術の枠組みの一つとして、その仕事の進め方を真似し、ロジックの組み立て・原理原則中心の考え方は今でも行動指針の一つとなっている。

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この本は年末年始の休暇中に読んだのだが、もう今すぐにでも仕事をしたくなった(笑)

リーダーの本質とは?

仕事ができない人というのは、やっかいな問題に直面すると、すぐに「できない理由」を見つけ出して、目の前の問題を投げ出してしまいがちだ。
リーダーはそんなことは決してあってはならないのは当然である。

やっかいな問題になる前に物事を「単純化」してしまい、問題を問題になる前に次々と解決しているのが一流の上司である。

一流の上司はやるべき事をすぐに「判断」して実行するため、一か八かの「決断」をする局面に至らない。

またリーダーとは、何か問題が起きたとき、「対症療法」ではなく、「根本治療」ができる優秀なドクターでなければならない。

部下の仕事に口を出してあれこれ指示していないか?

「部下の仕事を引き受ける」のが二流の上司で、「部下に結果を出させる」ことができるのが一流の上司である。

上司が「自分でやった方が早い」のはキャリアがあり場数も踏んでいるので当たり前。
上司がやってしまった場合、部下の成長は「ゼロ」であり、上司としての自分の成長も「ゼロ」である。

吉越さんは著書の中で、そんな上司は上司になるなとまで断言している。

「あなたに任せた」という指示に対する、結果の責任は全て上司にある。
そのために行うのが、重要なタイミングにデッドラインを引き、チェックを入れていくということになる。

部下を管理するのは「仕事の着地点を確認する」ことであり、そのために「デッドライン」を決める、という仕事術は重要な要素である。

「デッドライン」を細かく刻むことで、部下の仕事はスピードアップできるし、仕事の内容は担当者が一番詳しいので、上司はベストと考える案を持ってこさせ、それに対し指示・修正を加えることで上司・部下共に成長する。

一流の上司は、仕事に対する背景やその判断に至までの思考や情報をすべて「共有」することで「同じ判断」ができ、朝令暮改となっても部下はその判断に至るまでの過程を理解できるので「納得」するというのは、至極まっとうな論理だと思う。

まとめ

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吉越さんの仕事術で、最も実践しやすくかつ有効な手段が細かくデッドラインを設け、逐一指示・修正していくことだと思う。
特に僕が身を置くIT業界ではプログラマは口数が少なく、一人の世界に籠もって作業をしてしまいがちで気づくと全然違うものができあがっているというたとえ話は良くある。

仕事のできるメンバーから上司になっていくので、自分で仕事をやりたい、いわゆるプレイングマネージャーが中間管理職のほとんどをしめ、その上の経営層は数字だけ気にしているような会社では、いずれ疲弊してしまうというのは常々感じている。

本書の最後にあるように、今一度リーダーという立場は置いておいて、自分がやりたいミッションというものをもう一度見直してみたいと思いました。

これから上司になる方、上司になって部下の育て方に悩んでいる方、本書に書かれている内容を一つでも良いからTTP(徹底的にパクる)してみてはいかがでしょうか。

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